土木エンタテイメント(3)土木鑑賞家としてのたしなみ。
私は、土木の景観設計を生業にしています。
土木鑑賞家の方々との交流は時に楽しく、「こんなところに魅力を感じるのか」と感心することが多いです。
でも
「土木エンタテイメント」のブームは「土木鑑賞家としてのたしなみ」も同時に広がってほしいと思います。
「土木」はある時、ある人々にとっては、「迷惑施設」です。
ある人々の生活を守るために、ある人々の生活を犠牲にしています。
「土木鑑賞家としてのたしなみ」は「迷惑施設」と感じている方々の、「ココロをとかす」事であるとおもいます。
自分達が忌み嫌っている構造物を、「かっこいい」「かわいい」とわざわざ遠くから足を運んで来る人々がいる。
「別の視点」、「何かに気がつく」などのきっかけとなる「「新しい見方」を提供している」
「真の土木鑑賞家」の方々には、それを自覚して、うかれ、暴走することなくふるまってほしいと思います。
例えが悪いですが、
昨今の「韓流ブーム」は、「むづかしい日韓問題」を、その「むづかしさ」は通り越して、単純に「かっこいい」「素敵」という視点から新しい関係を築いています。
長年日韓問題を真剣に取り組み、市民レベルで解決しようと活動してきた方々にとっては、すこし、「拍子抜け」「がっかり」している事もあるようです。
「韓流ブームで出来た友好の雰囲気」をベースに、互いに対等に主張、議論をする段階に来ているのは皆様のご高承の通りです。
土木鑑賞ブームが、ただのエンタテイメントに終わらせないように、専門家も考えていかなければならないです。