■手段は変化する■

能登の様子がTVで放送されるたび、考えることがある。

10年前、震災の神戸長田地区にボランティアに行った。
建築を学ぶ者として、現場を見なければという好奇心がきっかけだった。

目の前の惨事に、驚きつつ、ぐちゃぐちゃになった家屋を片付けることや教会の建設を手伝っていた。
「医者のように速攻性はないけど、いつか、建築という手段で、人を救いたい。」と思いながら。

そんな中で目撃したのは、「アクシデントはコミュニティを構築する」ということだった。
助け合う人々・笑いあう人々・励ましあう人々

「Happyなアクシデント」を創り出すことを公共建築物の建設過程で作ることができたらと、住民参加に興味を持ち、都市計画の分野に移ってきた。

建て替え誘導も重要である。基盤整備も大切である。人命は何よりも尊い
でも、その町の文脈を継いでいくことも同じぐらい重要である。

スーパースターの外科医ではなく、予防医学の街医者やカウンセラーのようなプランナー。

 友人の事務所が山古志村の住民全体で部落を捨てる決心をしたコミュニティと将来の街づくりについて話し合う業務をしている。

専門家として、いつかそんな関わり方もあるはずだ。