フロッタージュでまちの表情を映し出そう!

hirokoTANABE2010-11-04


【フロッタージュ(frottage:仏)】

凹凸のあるものの上に紙を置き、鉛筆などの描画材でこするように描くことで、対象の凹凸や形状を写し取る技法です。フランス語の「frotter(こする)」に由来します。

 古くは東洋の拓本(たくほん)と呼ばれる、文様や刻銘を紙に写し取る技法があり、乾拓と湿拓の2種の方法があります。乾拓はフロッタージュと同じ原理で、和紙の上に釣鐘墨という摺り出し用の固形の墨でこすって凹凸を写し取るものです。

フロッタージュは素材選びや画面構成で制作者の意図が反映されますが、写し取られるイメージは、制作者のコントロールや意識に関係なく偶然性にゆだねられます。その偶然や無意識により現れたイメージは、見る者の想像力を拡大させる効果があるとし、マックス・エルンストをはじめシュールリアリストの画家は、デカルコマニーなどと共に、オートマティスムの一つの手法として愛好しました。
frotta.pdf 直

武蔵野美術大学技法説明より借用